竹林にようやく着いた。
おなかすいたー!

あれ??
たもが、2本しかない。1本ないよ。

どこで使った?
広場や水辺で、いろいろな生き物を見つけた!
たもでつかまえた!

「使った人が探しに行けばいいじゃん。おなかすいたから、お弁当食べたい」
「え~、みんなのものだから全員で探しに行こうよ」
「わたし、使ってないもん」

シー―――ン

「食べてから探しに行こうよ」
「そうしよう」
「でも、その間に誰かが持っていっちゃうかもよ」

シー――――ン

「先に探してから食べたほうがいいよ」
「え~おなかすいて死にそう」
「お弁当はどっかいかないけど、たもはなくなっちゃうかもよ」
「代表の人が探しに行けばいいじゃん」
「みんなで行ったほうがいいよ。先に食べてるなんてズルい」
「もう、どっちでもいいから、早く決めてよ!」

「え?誰が決めるの?自分たちで決めるんじゃないの?
みんなが使ってるたもだよね。
スタッフはみんなが決めるのを待っています」

シー――――ン 

堂々巡りだったその時。
「じゃあさ、探しに行きたい人は行ってさ、他の人は食べないで待ってるのはどう?」
一呼吸あってから、
「いいんじゃない?!戻ってきたらみんなで食べよう!」
「いいよ!」

「じゃあ、ぼく探しに行ってくる」「わたしも」「ぼくも」
結局、ほとんどの子どもたちがタモ探しに出かけてきました。

「あったよー!」
「黄色い棒みたいなトンボがいたところにあったよ!」

よかった、よかった。
みんな気持ちよくお弁当をいただきました。

道具は大切に。
そして、仲間も大切に。