なかなか決着がつかない話し合いの中で、

出てきたキーワードが「優先」という言葉。

 

山に先に行きたい子にも、

川に先に行きたい子にも、

きちんと理由がある。

だから、決まらない。

 

その日は午後から雨予報。

「午前中のうちに、川に行ったほうがいいよ」

「雨の中、山歩きはすべって危ないよ。だから山が先だよ」

押し問答が続いていた。

 

そこで手を挙げたのが6年生。

「雨で川が増水したら危険だから、その危険を優先して考えたほうがいいと思う」

「山だって危険だよ」と反論あり。

すると、

「山はすべって転ぶ程度だから、すり傷で済むけど、川は流されるかもしれなくて、命にかかわるんだよ」と6年生。

 

それで決まった。

この日は異例の「先に川遊び」となった。

案の定、午後は雷が鳴り、川には入りたくても入れなかった。

 

 

もうひとつ。

1年生の初参加の友達が多い日だった。

短いコースか、中くらいコースか、遠出コースか、なかなか決まらない。

その日の進行役が「1年生を優先しようよ」と言った。

でも賛成は半分程度。

「1年生がやりたいカブトムシ捕りをするなら、遠いところまで行かないと見つからないよ」

「でも、そんな遠くまでは1年生は大変だと思うよ」

「短いコースじゃ近すぎて、やりたいことやれないかもよ」

 

だから中間にすれば?というのは大人の考え。

1年生の半分が「疲れちゃうから短いコースがいい」と引かない。

「疲れちゃうのは大変だから、やりたいことが全部やれなくてもいい」のか

「大変だけどがんばって、やりたいことをやる」がいいのか、子どもたちに問うた。

 

つまり、「何を優先するのか?」ということ。

でも、スタッフの思惑とはウラハラに、意見が二分し、

結局この日は決められなかった。

 

スタッフが勝手に中くらいコースを歩くことに。

それでも、

 

カブトムシもオスメスともに捕まえたし、

いろんな虫もたーくさん見つけたし、

どでかい葉っぱも、魚もカニも、見つけた。

ジャンプもできたし、みんなで花いちもんめも楽しかった。

 

どんなコースを行っても、自分の意志さえあれば、

いろんな発見ができるんだ!

そう、自分次第。

「考えてチャレンジするべし!」