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【報告】里山BASE~”自分で決める”話し合い~

BASE3ヵ条のひとつ。
「自分で決めるべし!」

何をするのかは自分で決める。自分の意見はしっかり言う。
これはとても大事なこと。
でもまわりのお友達も意見を持ってるはず。
自分はこう考えてるけど、みんなはどうなの?
里山BASEでは、みんなが納得できるように、ときには時間をかけて、多くの話し合いの場が持たれました。

例えばある日は「お昼をどこで食べるか?」で話し合い。
できれば気持ちのいいところで食べたいもんね。
重要な案件です!

「竹林で食べたいよ」
「いや、川がいいよ」
意見が真っ二つに分かれました。
 

今遊んでいる場所の竹林か、移動して川か。
「川の近くで食べたことがないから川がいい!」
「竹林は蚊が多いから嫌だ」
「川にだって蚊はいるよ」
「今はひと段落ついて汗も引いてきたから蚊は寄ってこないよ」
「逆に移動して川へ行ったらまた汗をかいて蚊が寄って来ちゃうよ!」

やや川意見が劣勢か。里山BASEでは多数決にはしません。

少数になっても必死に抵抗します。
納得してもらうように、子どもたちは言葉を変え、代わる代わる根気よく話し続けます。
最終的には竹林から川までどのようにしてどれくらいの距離を進むのかを説明し、川派も竹林で食べることに納得してくれました。

話し合いだけで30分。子どもたちはなかなか根気強い!

と、思えばまた別の日は「川でお弁当食べたい」意見が多数の日もありました。
川で食べたくない理由は、「濡れた服でお弁当食べたくない」とのこと。

食べる前から川に入ろうとしていたところ。

「食べる前は浅いところで遊べばあんまり濡れないよ!食べてから思い切り遊んだらどう?」

なるほど!そうか!川で食べたくなかった子も納得しての昼食となりました。

行きたい場所を決める時も話し合いは難航します。
ある日はイモリーランド(子ども達命名:アカハライモリを捕まえられる場所)に行きたい・行きたくないで意見が分かれました。

行きたくないチームは「イモリは青空広場にもホリデーの広場にもいる」と主張しました。

でも、その意見に疑問を持った男の子は図鑑で調べて
「イモリは水のところにいるよ。山にいるトカゲとかカナヘビとかヤモリとかと間違ってるんじゃない?」
 
ちゃんと話し合いに参加して意見を出してくれる。
スタッフとしてはそれが嬉しくてたまりません!

最初は反対でも”納得”すれば意見も変わります。
「ああ、そういう見方もあるのか、考え方もあるのか」

ひとつしか見えていなかったところにいくつかの視点が入ることによって、自分の考え方が広がっていきます。

“自分で決め”て意見を言って、でも”友達のことも考え”てみんなが納得する方法を探す。
どんな言葉や視点なら納得してもらえるのか”考えてチャレンジ”をする。

話し合いにはBASE3ヵ条の重要な要素が含まれています。
遊ぶ時間はちゃんと確保しつつ、”友達のことを考えて自分たちで決める”文化をこれからも里山BASEは作っていきます。

【報告】里山adventure ~7月-イカダ完成!?~

6月の終わりから始めたイカダづくり。
7月に入ってもその熱は衰えず、時には雨の中、イカダづくりを頑張ります。

前回は竹12本を使ってイカダを作ろうとしていましたが・・・さすがにそれは難しかったようで、今回は竹8本で挑戦!竹4本チームはそのまま本数を変えずに挑戦していきます。

子どもたちは、竹を切りそろえたり、蔓を取りに行ったり。

4本班のメンバー、4人全員が作業にとりかかっています。

8本班のメンバー数は多く、どうしたらよいかわからず、見ているこどもたちもいました。そのため、雨が降れば室内に入ってしまって作業がはかどりません。

蔓をビシッと結ぶのは難しい。黙々と作業します。

終盤になって、いかだ経験者がアドバイスをしました。

4本班、片付けも団結して早いです。

8本班、一致団結となりません。片付けようと移動すると、結びがすでにバラバラと解けそうです。

週が変わり、4本チーム、イカダを浮かべてみることに。
8本チームも竹運びを手伝います。

「これ運ぶの大変!」
「なんか良い方法ないかな?」
「一輪車を使おうよ!」

協力して運ぶものの、「これ、どうやって川におろせばいいんだろう?」
仕方なくバラして一本ずつ竹をおろすことに。

バラした竹は川の水につけながらツルで結んでいきます。
4本をくっつけたなた、なんとか一人は・・・乗れた!
 

8本チーム、川へ行ってなかなか戻ってこない4本チームの偵察へ。「もしかして成功したのか!?」

うーん、やっぱり8本だとまだ難しい気がする・・・
潔く考え方を変えて、今度は6本で挑戦!
4本チームの働きに刺激を受けて獅子奮迅の働き!
なんとか形にはなったけど・・・
「あっ!これ、どうやって川におろすんだろう・・・」
どうやら4本チームの抱えた問題と同じところにいきついたようです・・・

また次の週。
6本いかだチームも先週の4本チームのように川へ運んで浮かべることになりました。

「先週結んだ蔓は乾燥して簡単に切れてしまう!」

「結わえたままだと川まで運びにくい!」との理由で結びを解いて1本ずつ運びます。

そして、竹を川に浮かべつつ、川に垂れる蔓を現地調達。協力して採取します。

まず、2本ずつに結び、その竹を連結します。

乗ってみると… 

浮きました!

 

いかだに結んだ蔓を手綱のように引っ張って川を散歩。結びが甘いのでばらけがちではあります。

その後、竹3本にして作り直してみました。

魔法使いのおばあさんが空を飛んでいる!?

ひとまず、「いかだを作って乗る」というミッション完了!

イカダ4本はスタッフの提案ではありましたが、12本から始めたチームも「どうしたらうまくいくのかな?」と考えて8本、6本と数を減らしていきました。「この方法でダメだったら別の方法で考えよう」と、本数や結び方を変えて工夫し、「乗ってみよう!」とチャレンジできたことがこのイカダづくりでの収穫だったかと思います。

『やりたい!』目標ができると、にチャレンジしようという気持ちが生まれ、それに向かって行動が機敏になります。みんなの集中力が持続し、時間が有効に使えますね♪

2学期の始めは何する?「トライアスロン」「川で魚を捕る」という意見が出ました。まだまだ暑い日が続くでしょう。

さて、夏休みもたっぷり遊んでパワーアップ!

8月最後、元気な顔に会えるのを楽しみにしています♪

【里山のかやねずみ】9月の集合場所

暑い夏休みが明けようとしていますが、まだ暑そうですね💦
それでも、早くかやっこに行きたい!というお声を
ポロポロお聞きしておりました。

お待たせ致しました!
9月かやっこは4日から始まります。
9月中の集合場所は火、木。全日リンゴ園とします。
まだまだ川遊びが出来そうです。

そして、お待ちかねのお楽しみ日は
9月11日(火)予備日18日(木)
『川の水族館』 いきもの調べをしたいと思います。
みんながお休みの間、お魚やカニさん、どうしてたかな?
沢山の生き物に会えるといいね。

みんなの元気なお顔を拝見するのを楽しみにしています!

里山のかやねずみ:大野

【報告】里山しごと体験講座2018 第1弾『春の里山でお茶会』

今年で4回目となる遊木の森でのお茶づくりプログラム。

「里山しごと」のテーマは「元(原材料や過程)」を知ること。
「春の里山でお茶会」ではちゃんと元を知ることが出来たかな?

先ずはお茶畑の世話から。
今日は整備からきっちりやっていくよ!
お茶の葉と他の葉っぱの見分け方を見つけて

 「まわりがギザギザしている」

 「葉っぱの線(葉脈)が違う」

おお!ちゃんと違いに気づけたね!

お茶の葉を見分けられるようになったら、親子で雑草を抜いたり、絡まったつるを外したりしました。

 

お茶畑の世話が終わったらお茶摘みです。
「一芯二葉」の摘み方で、親子一緒に摘みました。

 「かごをいっぱいにするのは大変」

 「摘んだばかりのお茶の葉はどんな香りがする?」

 「フルーツみたい」

  

今つんだお茶がどんな変化をしていくか、楽しみだね。

 

お昼が終わったら、いよいよお茶づくり!

いたんだ葉やゴミを除いて、せいろで2分ほど蒸してホットプレートに広げ、保温温度で軽く炒りながら水分を飛ばします。

 

 

少し炒ったら、ボール紙で作った箱に移して手揉み。
ギュッギュと揉んで水分を飛ばしやすくします

蒸したり、炒ったり、揉んだりしてゆくとお茶の葉が少しずつ変化してゆきます。

親子たちはその変化を、五感を使って感じてゆきます。

 「少しお茶の香りがしてきた」

 「カサカサしてきた」

 「お茶らしくなってきたね」

「炒る→揉む」作業を7回ほど繰り返すと、水分が飛んで、いつも見ている「お茶っぱ」になりました。
やっと完成だね!

手摘みして、蒸して、炒って、揉んで、自分たちで作ったお茶は美味しく飲みたい。
スタッフが試して見つけた美味しい淹れ方を参考にして家族ごとにマイ急須で淹れました。

 「きれいな色」

 「美味しい」

 「二回目は味が違う」

 「他のグループのお茶も飲んでみたい」

 

お茶菓子を食べながら、何杯も楽しんでいました

 

最後に、美味しいお茶を提供してくれたお茶畑にお礼の気持ちを込めて堆肥をあげました。

ありがとう!

 

おうちでお茶を飲んだ時に、お茶畑の景色や、お茶の葉がお茶に変わっていく過程での香りや色、手触りなどの変化を思い出してくれると嬉しいですね!

【報告】里山BASE~リーダーは誰?~

一つ!自分(たち)で決めるべし!

里山BASEには話し合いで決めるという文化があります。
「今日やりたいこと~」
と聞くと、一人一人が本日の里山でやりたいこと・チャレンジしたいことを発表してくれます。
話し合いでは大人は決めません。
決めるのは子どもたちです。
話し合いも子どもたちが主導となって進めていきます。

この日は、ベテラン小学生たちが進行を務めます。
みんなの今日やりたいことを叶えるため、どんな場所に行けばよいか、川と山どちらから行けばよいか、どんなルートを行けばよいか・・・

「初めての1年生もいるから場所の説明もしないと」
さすが!わかっていますね。

また別の日は、参加3回目の男の子が挑戦!
2年生の男の子も書記としてサポート!
ベテラン勢の進行を今まで見ていたため、スムーズに話し合いを進めていきます。

また別の日では、1年生コンビが司会進行に挑戦することもありました!

スムーズに進めるのはさすがに難しそう…だけど、大丈夫。
上級生のお兄さんお姉さんがフォローしてくれます!

慣れ、不慣れはあるけれど、決していつも同じ人がみんなの前に立つわけではありません。
BASE3ヵ条「考えてチャレンジするべし!」
挑戦権はみんなに与えられています。

では外に出たらどうなるのでしょう?
ある日のこと。
先頭は里山の道をよく知っている男の子たちが行きます。

人数が揃っているかちゃんと番号をかけて、後方が遅れていたら立ち止まって、水分補給もちゃんとして・・・さすがの安定感!

でも彼らだってすべての道を知っているわけではありません。
なら知っている友達の力を頼ればいい!
ということで先頭交代です。

新しい先頭さんは少し急ぎ足になりがち。
実は先頭を歩く人は細やかな気配りも必要。
これから少しずつ身に着けていきたいね!

さらに途中からは経験の浅い2年生の男の子に交代!
初めての道ですが、すぐ後ろで先程の先頭を歩いていた子が「こっちだよ」「向こうだよ」と道を教えています。

なんで交代したのかな、と思ったら…どうやら蜘蛛の巣が苦手だった様子。
新しい先頭の子は…なるほど、木の棒で蜘蛛の巣を払いながら歩いてる。

平気なんだね。うまい役割分担だ!
さらにこの後、川遊びの後はめずらしく女の子が先頭を行きました。

この日は計4人の先頭さんが生まれ、お友達を率いてくれました。

と言っても、先頭さんだけがリーダーではありません。

列の後ろのほうで、「ここ滑るよ」とか「ちょっと待って~」と周りに声をかけてくれる子だって、立派なリーダーです。

考えてチャレンジすれば誰でもリーダーになれる!
でもどうしたらもっと良いリーダーになれるかな?と考えていくとまた次のチャレンジが生まれるね!

友達のことを考えてチャレンジできる、そんなリーダーがたくさん育つことを願っています。

【報告】里山BASE+(ぷらす)~里山のいのちをいただきます~

サレジオ小の子だけでなく、他の小学校の子たちとも混じって遊んだ7月の3日間。

小さい頃からエコエデュに通っていた子とまだ里山経験の浅いサレジオ小の子どもたちのコラボチャレンジの日々。

2日目。

 

蒸し暑く、山探険はちょっぴりにして、早めに川遊びを楽しんだものの…

「濡れたままお弁当を食べるのはイヤ。着替えたい」という女子たち。

「もっと川で遊びたいよ。」という男子たち。

 

ここで話し合うこと、30分…

結局、エコエデュに戻って、なんと火おこし!

捕った魚を天ぷらにして食べるんだって。

 

確かに、びしょぬれでちょっと寒い。ちょうどいいかも!

エコエデュの火おこしは、燃えるもの集めから!

どんなものを集めたらよいかも、ベテランガキ大将から指示が出ます。

「これでいいかな?」

よし、いざ、火付け!

初チャレンジをベテランが見守ります。

「ぼくもやりたい」順番にチャレンジです。

「ついた!」

と思ったら、消えちゃった。

なんで??

何度も何度もやってみました。でもつきません。

よく考えて。今朝の天気は?

「雨降ってた!材料が湿ってるんだ」

 

もう一度、やってみよう!

ベテランが、再度火のつけ方を伝授。

みんな見守ります。

ついた!

そしたら…

「細いの持ってきて!」

「それはまだだよ。また消えちゃうよ」

燃えやすいものから火を移して大きくしていきます。

ベテランのすご腕で、ようやくようやく火がつきました。

始めてから2時間近く!あきらめないって大事だね。

 

そのころ、裏方は天ぷらの準備です。

小麦粉を水で溶いて、油を用意して…

そして、そう、お魚の処理も!

この子たちをいただきます。

まな板に乗せられたお魚さん。

内臓を取るのです。

顔は笑っていますが、心臓はドキドキです。

「切っても動いてる…。どうしよう」

「ヌルヌルする…」

勇気を出して、内臓を取ります。

みんなが普段食べている魚も、誰かがこうして食べられるようにしてくれてるんだね。

 

実は、カニもいます。

モクズガニはいい出汁が出るので、汁物に。

でも、まな板に乗せると脱走!!

 

そこで考えた考えた!

ボールとボールを合わせた中に入れて、「ガチャガチャ振ってみよう」

ガチャガチャガチャ!

そ~っと開けてみると…目が回ったのか、カニは走り出しません。

成功!

カニのおなかに包丁を入れ、真っ二つに切りました。

カニは動かなくなりました。

 

力を合わせて起こした火で、魚は天ぷらに、カニは汁物に。

「ああ、美味しい」

 

そう、私たちは生き物の命をいただいて、生きているのです。

里山は命の接点。

里山の小さな命は、毎日せめぎ合ってせめぎ合って、なんとか生きている。

そんな里山での遊びが、学びという栄養になっていくことを信じています。

 

 

 

【報告】里山BASE+(ぷらす)~7月の川チャレンジ~

サレジオ小の子だけでなく、他の小学校の子たちとも混じって遊んだ7月の3日間。

小さい頃からエコエデュに通っていた子とまだ里山経験の浅いサレジオ小の子どもたちのコラボチャレンジの日々。

1日目。

「大きい石をどけると、ヨシノボリがいるんだよ。手伝って!」

「捕まえた!」

水かけっこばっかりしていた子が、生き物に興味を持ち始めました。

「もっと川の奥へ探険に行きたい」
でも、一段上の川へ上るには、深い淵を越えなければなりません。
「こっちまで泳いでおいで!」上にいる4年生の男の子が叫びます。

2年生の女の子は勇気を出して、泳ぎだしました。
が、「足がつかない…」あわわわわ~
スタッフにすくわれ、ほっ。

それでもあきらめません。どうしたら向こうへ行ける?
長い棒を持ってきました。
「これにつかまったら泳げるかな?」
残念。浮かびませんでした。

「ちかりん、こっち持って」
今度は、女の子がつかんだ反対側の棒の先をスタッフが持って引っ張ると…
「これだ!」

上にいる男の子に棒の先を渡し、
「引っ張って!」ドボーン!

 

男の子が棒を引っ張って、シューッと上の段にたどり着いたではありませんか!
「ヤッター!!」
すると、ちょっと怖くてしり込みしていた他のメンバーが、
次から次へと棒を持って、シューッと渡っていきました!

みんなで探険!
高い段は登るのも挑戦。水に打たれるのも挑戦。

 

すっかり仲良しになったみんなは、声をかけ合って助け合います。
さっき、深くて飛び込めなかった場所も、もう大丈夫。
「一緒に飛ぼう!それ!」

里山BASEには3つのオキテがあります。
一つ!自分で決めるべし!
二つ!他の友達のことも考えるべし!
三つ!考えてチャレンジするべし!

オキテを胸に川を探険するだけで、ほら見て、この自信に満ちた顔!

【報告】里山BASE~里山のお友達~

今年の夏も里山BASEがやってきました!

夏真っ盛りの中、子どもたちは毎日冒険です。
里山BASEでは毎年いくつものドラマが生まれます。
少しずつ紹介していくので、ぜひ漏らさずご覧になっていってくださいね。

里山BASEには、3ヵ条のオキテがあります。

その中の一つが「友達のことも考えるべし!」

みんなに聞いてみましょうか。

お友達って誰の事?
「ここにいるみんな」
「自然、植物とか」
「カマキリとかバッタとかもだよ」
なるほど、なるほど。
そうだよね、山で出会った生き物も友達だよね。
今日はどんな遊びが出来るのか、と期待を胸に出発。

途中の畑では早速カナヘビを捕まえました!
けど、
「すぐ逃がすよ、だってかわいそうじゃん」
と、捕まえた男の子が答えます。
ちゃんとお友達のことも考えてるね。

でも捕まえたのは先頭グループの子。
後ろのみんなはカナヘビが見えない。
「じゃあ、カナヘビを持ってここでみんなが通るときに見せてから、逃がしてあげたらどうかな」
1人の男の子が提案しました。
それ、いいね!
  
順番にカナヘビを観察した後、畑に逃がしました。
先頭から遅れてしまった男の子は急いで先頭に戻っていきました。

ホリデーの広場についたら、
「ねぇ、みんな見て見て!」
あ!カブトムシが棒についてビニールひもに絡まってる!
 
自由に動くことが出来ず、もがいています。
「助けてあげようよ!」
と、子どもたちのカブトムシ救出作戦が始まりました。

まずは棒からカブトムシを引きはがします。
ビニールひもをほどこうとしていますが、複雑にからまってほどけそうにありません。
1人の子どもがスタッフからハサミをかりてきました。
これでなんとかなるかな!?
「足をきらないでよ!」
まわりの子どもから激が飛びます。
 
まるで手術をしているようです。
あともうちょっと・・・!

やった!からまってた大きな塊が取れた!
蚊に刺されながらもミッションコンプリート!
助けたカブトムシは木に逃がします。
 
捕まえても助けても、最後は住みよいところに帰してあげる。
BASEのみんなはそれがわかっているようです。
「誰かが捨てたひもで、山のお友達が傷ついちゃうのかなぁ・・・」
スタッフがボソッとつぶやくと「はっ」とした男の子がビニールひもを拾いに行きました。二次被害も防いでおかないと!

今度は青空広場だ!
どんなお友達に会えるかな。
元気いっぱい遊んだ後、次のところに行こうかどうしようかと相談タイム。
BASEではやりたいこと・行きたい場所は子どもたち自身で決めます。

時はお昼近く。次の場所に移動する前に
「虫かごの中のバッタとか、逃がしてあげないと」
と、1人の女の子に声がかかりました。
でも女の子は逃がしたくないようです。

BASEでは多数決では決めません。
「逃がした方がいい人ー」「はーい」「ほら、賛成が多いからちゃんと逃がしなよ」
なんていうことを言う子はいません。
納得するまで話し合います。

でも相手は小学一年生。
どうやったら納得してくれるのかな・・・?
「他の友達の子とも考えるべし、だよ」
「虫かごの中に入れておくとストレスで死んじゃったりするんだよ」
「連れて帰るってことは日本人である自分がむりやりアメリカに行かされるようなものなんだよ」
「この子たちに幸せになってもらいたいんじゃないの?だったら逃がしてあげなくちゃ」
「自分が生まれたところで死にたいって誰でも思うはずだよ」
子どもたちは言葉を変えてなんとか説得しようとします。
でもなかなか納得してくれません。

少し話を聞いてみると、
「ママにみせてあげたい」
ということでした。
「じゃあスタッフに写真撮ってもらってプリントアウトしたのをもらって見せてあげればどうかな」
おお、良いアイディア!
「生きてる姿を見せてあげたい」
女の子は答えます。

長い時間話し合いをしていたため、なかなか移動できずに話し合いが長引いてイライラする子も出てきます。
「誰のせいで次のところに行けないか考えてほしい」
そんな言葉も出ましたが
「誰のせい、とかじゃないんだよ」
という言葉が続きます。
「責めてるわけじゃないんだよ」
「ちょっと待っててあげてよ!」
女の子を落ち着かせるように言葉をかけてくれる子もいます。
かばってくれる子もいます。

結局、次の場所に移動するときも虫かごには昆虫が残ったままでした。
「みんなにいろいろ言われて傷ついていないかな?」
心配した上級生の女の子は、そっと1年生の側に寄り添ってあげていました。

そうして、お昼ご飯も過ぎ、川遊びも終わったあと、1年生の女の子はお友達にさよならをして虫かごの中を空っぽにしました。

「ちゃんと逃がしてあげたんだからすごいよ。頑張ったじゃん」
男の子が声を掛けます。

認めてくれる友達がいる。
待ってくれる友達がいる。
BASE3ヵ条、「友達のことを考えるべし」を実感することが出来た一日でした。

次はどんな3ヵ条への挑戦が見れるのか!?
スタッフも楽しみにしています。
乞うご期待!

【報告】里山QUEST7月 ~夏はやっぱり川遊び~

子どもたちのチカラでQUEST-探求-する、里山QUEST

週一回、水曜日の放課後に里山に集い、それぞれのQUESTを深めています。

 

 

7月の里山QUESTは、川遊びがメインとなりました。

それは、この夏、あまりに蚊が多いので、山に行くのが嫌になってしまった子がいたため。

山にツリーハウスを作りたい!という希望も出ていましたが、それは夏が終わってからのお楽しみになりました。

お互いの意見をぶつけ合って、聞きあって、みんなで決めていく文化が創られつつあります。

 

 

川での遊びも、少しずつ変化していきました。

はじめは、転ばないようにゆっくり歩くことで精一杯だった子が、

徐々に生き物を探す余裕が出てきて、色々な生き物に出会いました。

 

今度は、生き物をどうしたら上手につかまえられるだろう?と試行錯誤。

釣竿を自作してみたり、タモ網を持って、使い方を考えてみたり。

 

 

始めは素早く動かすのがいいと思っていた子も、実際にやってみると、

「ゆっくり動かすのがいい!」

「川の端っこに生き物がいる!」

など、気づきがたくさん。

 

 

また、ある日は雷が鳴り、川に入れませんでした。

そこで、川のはじまりはどうなっているのか!?という疑問が湧いてきて、源流探し。

でも…川の源流を探すはずが、たどり着いたのは「平澤寺」というお寺。

 

100段にもなる階段を目の前に、子ども達は目を輝かせ、興味津々。

急遽、平澤寺を探険することに。

 

階段を上ると、そこにはお堂が。

「中にかみさまがいる!」ということで、みんなでお参り。(本当は仏様だけど…)

 

QUESTとは、「探究」。

子どもたちの探究は、ある一つのことを深めることも大事ですが、やってみたいと感じた様々なことに挑戦してみることも大事かな。

興味を引かれた、目の前のものに熱中する時間。

そして、その中で得る気づき。

残念ながら源流は見つけられなかったけれど、子どもたちの心には、何か新しい発見が残ったことでしょう。

 

 

さて、8月はお休みで、次回は9月。

夏を経て、一回り大きくなったみんなのことを、里山で待ってるよ!

 

QUESTはまだまだつづく!

 

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2018年7月現在、里山QUESTの参加者を募集中!

体験もできますよ♪

詳しくはこちら↓
https://www.ecoedu.or.jp/programs/quest2018/

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